【解説つき】元携帯販売員が語る『au新料金には追従しない』 - ドコモ吉澤社長 docomoの戦略を考える
ドコモは『auの新料金プラン』には追随しない
Android全機種を対象にしたauの分離プラン「auピタットプラン」「auフラットプラン」に追随する予定はなく、docomo withを機種限定で続けていく見通しを示しました。
docomo withに先立ち導入したシェアプラン限定のシンプルプランも、順調にユーザー数が増えており、約35万契約に。一連のユーザー還元策は今後も続けていくとのこと
http://japanese.engadget.com/2017/07/11/docomo-with-au/ - Engadget 日本版
au新料金プランのまとめ記事はこちら
auの新料金プラン『auピタットプラン』『auフラットプラン』と新要素『アップグレードプログラムEX』については、こちらで解説しております。
なぜ追随しないのか・・・
その理由は単純で、auやSoftbankには存在しない家族で複数回線を利用することを想定した『シェアパック』を使うのを前提とし、
先月6月1日から提供開始している『シンプルプラン』と『docomo with』を併用することによって家族全体のの通信費の合計で考えると、結構安く使えてしまうからです。
ドコモの料金プラン解説
それでは、docomoの最強の武器とも言えるシェアパック、また6月から提供開始された『シンプルプラン』と『docomo with』について解説していきたいと思います。
ドコモのシェアプランとは
ざっくり説明すると、代表回線が契約するデータ容量を家族で分け合うことができます。
その際、代表回線はお一人用のデータパックではなく、分け合い専用のシェアパックというプランに変更する必要がある。
また代表に紐付ける子回線は、そのデータ容量を分けてもらうためのシェアオプション(500円/月)に加入する必要があります。
【代表回線】
通話の基本プラン(980〜2,700円/月)
+接続料(300円/月)
+シェアパック(6,500〜25,000円/月)
【子回線】
通話の基本プラン(980〜2,700円/月)
+接続料(300円/月)
+シェアオプション(500円/月)
このような形で組み合わせていきます。
料金シミュレーション(シェアパック)
【例】
- 3人家族(父.母,子)
- ネットは家のWiFiで利用月間5GB以内でおさまる。
- また父は仕事で頻繁に通話をし、母と子は全く通話しない(LINE通話のみ)。
- ちなみに子は25歳以下という家族に場合に料金シミュレーションをしてみると
なんと一人あたり4,834円/月となり、この時点でも意外と安いですよね。
ちなみに同じパターンでauの新料金プランで計算すると
【父】3,980円/月・・・auピタットプラン(カケホ)
【母】3,980円/月・・・auピタットプラン(スーパーカケホ)
【子】4,980円/月・・・auピタットプラン(スーパーカケホ)
【家族合計】12,940円/月(一人あたり4,314円)
※〜2GB利用時、auスマートバリュー適用時
この時点で実はauの新料金プランとほぼ変わらないんですよね・・・
auの新料金プランの場合、毎月割が適用されなくなります。
ですので、ここにさらに本体代金がドカっと乗っかってきます。
ですがドコモの場合、月々サポートがついてきますので、実はこの時点で優位なのでは?
と考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そしてドコモが2017年6月に新設された新要素の一つ目がシンプルプランです。
シンプルプランとは
ドコモも以前は、通話しない方向けのプランというものが存在していたのですが、数年前カケホーダイが新設された際に、カケホーダイ or カケホーダイライトにしないと『月々サポートがつかなくなるよ!』ということもあり、実質的なサービス終了となっていました。※選択することは可能です
Softbankはホワイトプラン
auはLTEプラン
ドコモも昔はクロッシープラン(タイプXi にねん)というものが存在していたのですが、、、
そして今回ようやく登場したのが、この『シンプルプラン』です。
以前のクロッシープランと比べると、同じドコモ同士での無料通話などはなくなりましたが、家族割を組めば家族間の通話無料になりますので、まぁ十分ですよね。
料金シミュレーション(シェアパック+シンプルプラン)
先ほどの3人家族の母と子が全く通話せず、LINE通話のみとのことでしたので、カケホーダイライトを新設されたシンプルプランに置き換え、シミュレーションしてみると、
なんと、先ほどの料金より大幅にダウンしました!
1.440円/月ほど下がり、先ほどのauの新料金プランの場合、12,940円/月(一人あたり4,314円)でしたので、なんと若干ですが、下回ってしまいました。
ここに本体代金の分割と一緒に月々サポートも適用されるので、auより安くなりましたね。
ですがこれで終わりではありません。
新たな新要素がもう一つあります。
それがdocomo withです。
docomo withとは
対象機種(現在は2機種)をご購入いただくことで、月々のご利用料金から1,500円/月を次の機種変更まで割引きするという新要素となっています。
料金シミュレーション(シェアパック+シンプルプラン+docomo with)
先ほどの家族でみんなdocomo with対象機種を購入したとして、料金シミュレーションしていきましょう。
3人合計で8,400円/月、一人あたりで考えると、なんと2,800円/月となりました。
ただし『docomo with』に関しては、月々サポートと併用できなくなりますので、注意が必要です。
auも新料金プランに関しても毎月割が使えないので結局一緒ですね。
家族で一緒に使うならdocomo、一人で使うならau
ここまで見ていただくと、確かにdocomoの方が圧倒的優位に立っているのは一目瞭然。
ただ勘のいい人はお気づきかもしれませんが・・・
これってシェアプランだから安くなるんだよね。
一人でdocomo使っても高いだけじゃん・・・
その通りですが、逆にこれがdocomoの戦略でもあり
『家族全員でドコモを使っていただこう』
というのが最大の目的だと私は考えます。
独り身なんだけど、安く使うにはどうすれば・・・
- docomo系の格安SIM
- auの新料金プラン
- Ymobile
など選択肢は色々ありますので、ぜひ店頭のキャンペーンなども含めて
ご検討ください。
まとめ
ドコモの新要素シンプルプランとdocomo with
あくまで私の考えですが、
SoftbankでいうところのYmobile
KDDIでいうところのUQmobile
に当たるのではないでしょうか。
そう仮定すると、これらの新要素はキャリアと消費者の双方にメリットがあると思います。
私の経験と推測を元に考えた、現状のdocomoの狙いとしては、
大手が取り扱っているXPERIAやGALAXYなど、いわゆるグローバルモデルを使いたいユーザーは通常プランで月々サポートを併用しておトクに利用。
性能などは特にこだわらない、ネット閲覧やSNS(LINEとか)など、最低限でいいのであればdocomo withの対象機種を格安で利用。
といった感じで、使うユーザー層に分けてとても理にかなうプランだと言えます。
ドコモというブランドイメージはそのままで。
家族みんなで格安SIM並みにおトクに使ってもらおう。
というのがドコモの当分の戦略なのではないでしょうか。
そう考えれば、吉澤社長が余裕な表情でいるのも納得します。
ちなみに吉澤社長はdocomo withと今後について
「既存の機種ではダメなのか」といった声も、少しずつ上がってきています。auさんはAndroidを全対象にしているようですが、やはり高い機種を、そのままの値段で買っていただけますかとなり、なかなかそういうわけにはいきません。(ハイエンドモデルなどの高額なモデルは)月々サポートでお安く買えるという手法が好まれるところはあると思います。ただし、やはり先ほど(arrows BeやGalaxy Feel)くらいの価格帯で販売できる端末は増やしたい。まだ何機種かは決めていませんが、秋冬モデルでも入れていきます。
http://japanese.engadget.com/2017/07/11/docomo-with-au/ - Engadget 日本版
と言っておりますので、秋冬モデルから続々と格安機種が発売されることを期待しましょう。